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経済と環境を両立させる新しい社会のあり方、サーキュラーエコノミーとは?

 環境を語る文脈の中で、「サーキュラーエコノミー」という言葉を聞く機会が増えてきました。従来から語られる「リサイクル」やリサイクルを含む「3R」、「循環型社会」とはやや異なる、社会や経済活動全体に渡る視点で語られるサーキュラーエコノミー。この考え方は、現代が抱える様々な環境問題の解決につながる方向性として注目を集めています。

サーキュラーエコノミーとは?

 サーキュラーエコノミーとは、ヨーロッパを中心に発展してきた考え方で、すべての資源を循環させる社会体系のことを言います。例えば、日本でも「リサイクル」あるいは「3R」といった取り組みは長く行われてきました。またこれらの施策を核とし、廃棄物を減らす「循環型社会」という考え方も進められています。しかし、これらの取り組みはすべてあくまでも「廃棄物の取り扱い」についてのものでした。つまり、「すでにあるゴミをどう処理するか」ということです。サーキュラーエコノミーの場合、さらに上流から社会全体を見通し、資源の循環について考える考え方です。言い換えれば、「どのようにしてゴミを出さないか」という視点が加わっているということです。

 従来の環境対策とサーキュラーエコノミーの大きな相違点は、環境対策があくまで環境保全を目的とした取り組みであったのに対し、サーキュラーエコノミーは社会のあり方を指すという点です。これまでの環境対策は、政府の取り組みや企業のCSRとして「あえてやるもの」として推進されてきました。そのため、その施策には予算が必要であったり、環境に配慮した商品は他の商品よりも高額であったりといった事実がありました。
一方、サーキュラーエコノミーは、社会全体として環境負荷の少ない暮らし方・社会のあり方を選択するという考え方に基づいています。そこには環境負荷を下げるためのCSR予算を計上したり、より高額な商品を購入したりといった必要性はありません。むしろ、消費者の支出を削減し、企業の収益を向上させる、経済効果を伴う側面すらあります。

 消費者一人一人が自分らしく効率的な選択を行うことで、自然な流れとして環境負荷を下げるというのが、サーキュラーエコノミーで実現できる社会です。環境に配慮するがために経済的負荷が増えたり、不自然な選択を行う必要が生じたりということはありません。いわば、経済と環境を両立する考え方ということもできます。

サーキュラーエコノミーの5本柱

 サーキュラーエコノミーを支える存在として、次の5つの要素が重要な柱とされています。これらの取り組みやサービス・製品のあり方を実現することで、適切な経済活動を続けながら、循環的な流れを生み出し、環境負荷を下げることができると考えられます。

1. サーキュラー型サプライ

 提供される商品は、リサイクルやアップサイクルなど、循環的な処理が可能な製品を基本とします。しかも、リサイクルするための加工や処理のためにさらに環境負荷が生じることがないよう考えられている必要もあります。
例えば、細かいパーツに分解でき、廃棄後もパーツ毎に新しい商品へ再利用可能なデザイン・設計で製品を作るといった考え方です。

2. 製品寿命の延伸

 製品そのものが長く使えるようにデザインされていることも重要です。どんどん新商品を出し、常に最新型を所有し続けることにステータスを感じる価値観は、もはや古いものとなりつつあります。むしろ、適切にメンテナンスを続けながら、同じものを長く使い続けられることの方に注目されるべきです。

 製品寿命が長くなることで期待できる効果は、環境負荷の削減だけではありません。良いものは長く使うことができます。その結果使用者の手になじみ、愛着が湧き、顧客としてのロイヤリティ向上にもつながります。企業は長く使える製品を開発し、そのメンテナンス部門を充足させ、長期的な顧客との関わり・関係性の育成に力を入れる時代が来たと言えます。

3. 回収とリサイクル・アップサイクル・リユース

 製品を使い終わったら、廃棄物として捨てるだけが選択肢ではありません。前述の通り、サーキュラーエコノミーにおける製品は長く使うことができ、かつリサイクル・アップサイクル可能なように設計されています。

ある個人にとって不用品となっても、別の個人にとっては魅力ある商品であることも多々あります。使い終わった製品はセカンドハンドショップやフリマアプリなど個人間売買を通し、次の使用者へと手渡されていく流れが、廃棄物を減らし、限りある資源を有効活用することになります。
また、故障などで使用目的を果たせなくなった場合には、メーカーやブランドが回収し、次の商品へリサイクル・アップサイクルする流れも作られます。ポイントは、商品が最初からリサイクル・アップサイクルを前提に作られているため、それに伴う負荷が少ないという点です。

4. シェア・サブスクリプションモデル

 そもそも最初から所有しない、という考え方もサーキュラーエコノミーを支える価値観の一つです。現在でも、カーシェアリングやシェアオフィスなどのシェアリングサービス、家具レンタルや洋服のレンタルなどのサブスクリプションサービスを通し、所有しないライフスタイルは徐々に浸透しつつあります。
週末しか使用しない自家用車や結婚式にしか着用しないドレスなど、個人の保管スペースには、膨大な量の価値ある資源が眠っています。これらの資源をシェアすることで、新たな製品を作り出すコストや環境負荷を抑えるだけでなく、経済的効果を生み出すことも可能なのです。

5. PaaS(Product as a Service:サービスとしての製品)

 クラウド技術を応用し、製品が手元になくても利用できるPaaSは急速に普及しています。かつては、音楽はCDで、PCソフトはメディアで、書籍は紙で提供されるのが当然でした。しかし現在では、PaaSの仕組みを利用することで、これら全てをデータで受け取ることができるようになりました。その結果、媒体として利用されていたリアルな物質は不要となり、ゴミとして捨てられることも無くなりました。企業としても製造コストが削減されるというメリットもあります。
リアルな物質(紙)が必要な場合でも、PaaS(Print as a Service)で必要な数量だけ欲しいタイミングで届けることも可能となりました。

経済と環境を両立する社会へ

 「環境を守るための取り組み」は大切ですが、いつかこのような言葉は聞かれなくなるかもしれません。なぜなら、自然な経済活動を続けることで、知らず知らずのうちに環境負荷を減らし、環境を守る結果へつながっていくという社会が実現可能となるからです。
 サーキュラーエコノミーの核となる考え方に、「無駄を価値へ」というものがあります。現在休眠している様々な資源を有効に活用することは、環境負荷を減らすことと経済効果を上げることのどちらにも大きく寄与します。
無駄な消費や供給を減らし、本当に心地よい経済活動を行うことが地球環境を守るサーキュラーエコノミーは、真の意味で発展した文化的社会ということができそうです。

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