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循環型社会における紙メディアの未来

循環型社会とは、(1)ごみを減らし(2)循環的な利用を促進し(3)それ以外のごみが適正に処分されることで「環境への負荷ができる限り低減される社会」のこととされています。この循環型社会を実現するため、環境庁を中心とした政府、あるいは民間において様々な取り組みがなされています。印刷業界など、紙に関わる業界も同様です。

循環型社会を支える3R

循環型社会の実現のための取り組みとして、3R、つまりリデュース・リユース・リサイクルの3つの取り組みが行われています。
・Reduce リデュース:過剰包装を避ける・製造過程で物を減らすなどして、ごみそのものを減らすこと
・Reuse リユース:不用品を別のものに加工したり、使い捨てでない製品を選ぶことで、繰り返し使うこと
・Recycle リサイクル:ごみ分別・再加工して再度資源として活用すること
このように、ものを循環的に利用することで、ごみを減らすことを目的としています。

循環型社会と紙メディア

環境に関する議論の中で、しばしば紙は環境負荷が高く、循環型社会の実現に適していないという論に出会うことがあります。
本当にそうでしょうか。このような論は、紙の原材料が木材であることからそのように言われることが多いようです。

しかし、紙を製造するために伐採される木材はわずかで、生態系に影響を与えるほどとは言えません。むしろ、自然が循環していく上で必要な伐採量と言えるほどです。近年は間伐材を利用して生産された紙や、森林全体の成長・利用計画を立て、計画的に伐採・生産している紙も登場しています。これらはエコロジーペーパー(環境対応紙)と呼ばれ、識別マークが作られるなど、導入と一般化に向けた取り組みが進められています。

また、もともと紙はリサイクルが積極的に行われている材料でもあります。2018年のデータでは、古紙利用率は64.3%、回収率は81.5%と高い水準を誇っています。これらの紙は再加工され、再生紙として様々な場面で活躍しています。

リユース可能な紙メディアに注目が

最近では再生紙としてのリサイクルだけでなく、紙自体のリユースにも注目が集まっています。次のような取り組みが行われています。
例えば、エコバッグ・紙袋として再利用可能な宅配バッグや差し込み口・マジックテープ式など、繰り返し使用可能な封筒などの製品があります。
これらの商品は紙のリユースを促進することを目的に作られており、消費者に手間なく、かつ繰り返し使えるという利便性を提供しています。あるいは、紙をPR媒体として使用している企業の取り組みもあります。
例えば、ペーパークラフト付きダイレクトメールなども多く作られています。紙面に切り取り線や折り線が描かれていたり、ミシン目がつけられているなどといったものです。ガイドに従って切る・折るといった簡単な方法で、卓上における小さな置物になったり、カレンダーなどを作ることができるといった取り組みです。作る楽しみだけでなく、デコレーションとして長く愛用することができます。

このように特にリユースのために設計された商品でなくても、消費者の工夫行われているリユースもあります。デザインが気に入ったフライヤーやダイレクトメール、雑誌などを再利用し、プレゼントの包装や封筒に利用するという取り組みは昔から行われています。さらに一手間をかけるなら、ちょっとした加工をしてブックカバーにしたり、バッグや小物入れを作ったりといった活動も人気です。

メディアとしての印刷物が果たす役割

紙は加工がしやすく、また素材が大変軽いこと、厚紙や耐水紙など、加工次第で耐久性がアップすることから、リユースがしやすい特徴があります。
それに加え、印刷された内容によって、そのイメージが大きく変わるというのが、紙の大きな特徴と言えます。好みのブランドのロゴや、デザイン性の高い印刷物などは、身につける製品に加工した時に、利用者の満足度を向上させ、愛着を感じるようになる効果があります。

ただの紙素材ではなく、印刷紙メディアであることの意義がここにあります。従来より、消費者により好まれるものとするため、印刷物はデザインやフォント、内容をブラッシュアップしてきました。その結果、ポスターの収集やポストカードのインテリア利用など、様々な紙の販促物はデコレーションとして活用されてきた歴史があります。3Rの普及に伴い、紙のリユースの幅はさらに広がり、多くの可能性が生み出されてきています。

循環型社会における新たな紙メディアの未来

限りある資源を使用して社会を維持していくためには、循環型社会への転換は避けては通れない道といえます。このような社会を目指す上で、紙の持つ可能性は大いにあります。

従来から行われている紙のリサイクルだけでなく、印刷技術の向上による製造過程のリデュース化も急速に進められています。
例えばデジタル印刷では、デジタルデータが直接出力されるため版を作る必要がなく、ユーザーに必要なタイミングで必要なコンテンツだけを、1通(1枚)から生産可能です。そのため、捨てられないエコで豊かな紙を実現できるのです。紙の印刷はアナログなメディアでありながら、環境に優しく、ユーザーにとって豊かな体験を可能にする機能を持っているのです。従来は「バラマキ型」と呼ばれる、同一の製品を大量に生産・配送する方法が取られていました。現在はこれを減らし、ユーザーにとって・地球にとって・企業にとって、嬉しいあり方が重要視されてきています。

材質だけでなくメディアとしては、デザイン性や材質にこだわることで、消費者がより積極的にリユースを行いたくなるような製品を作る、という取り組みも可能です。ロゴやフライヤーが気に入られリユースされた場合、街中でそれを見かけた他者への訴求効果すら望めるかもしれません。

このように、循環型社会において、紙メディアの果たすことのできる貢献の可能性は無数にあります。紙としての特性をうまく利用し、社会的価値の高い製品を生み出すことも、紙メディア・印刷業界の新たな目標のひとつとなりそうです。

参考文献:
循環型社会形成基本法

環境省:循環型社会への新たな挑戦

日本製紙連合:循環型産業について

日本製紙連合:古紙

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