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未来志向な書籍・紙メディアの描く「未来」とは

デジタルやインターネット技術は、生み出されてからすぐ世界中へ広がり、既に新たな世界の形を形成しつつあります。
このような新しい世界の中で育ってきた世代に、ミレニアル世代やZ世代と呼ばれる世代があります。ミレニアル世代はいわばデジタル世界と一緒に育ってきた世代、Z世代は生まれた時からデジタル世界が隣にあった世代です。

彼らが育ってきた世界には、当たり前にデジタルがありました。
これらの新しい世代にとって、紙メディアはどのような役割と位置づけを持ち、どのような価値の提供を期待されているのでしょうか。

デジタル化社会における紙の存在

デジタル化に伴い聞かれるようになった言葉に、「ペーパーレス化」というものがあります。実際、普段の生活の中で紙を見る機会は以前に比べるとぐっと減少しました。グループ内のお知らせや社内報はメールやwebに、銀行振り込みはインターネットバンキングに、各種明細はアプリやwebに変わってきています。

しかし、ペーパーレス化の流れで変わっていくのは、本来紙でなくても良かったものだけです。紙でなければいけないものの価値は依然として残ります。
デジタルにはない紙の価値はたくさんあります。手で触れて感じるリアルさ、インクの香り、その質感など、五感に訴える存在感のある紙メディアの価値は、このような時代だからこそ代替不能な存在としてその地位を確立していくことでしょう。

ミレニアル世代・Z世代にとっての「メディア」

これからの社会における紙メディアについて述べる前に、現代の若者のメディア観について考えてみます。
ミレニアル世代と呼ばれる世代は幼少期あるいは学童期頃にインターネットが登場し、これに伴うデジタル社会の発展と一緒に成長してきた世代です。Z世代はさらに若く、生まれた時からデジタルテクノロジーが身近にあり、あって当然のものとして育ってきた世代で、デジタルネイティブ世代と呼ばれることもあります。彼らにとって、メディアとは常にデジタルメディアとアナログメディアが共存してきたいと言えます。
SNSでは友人の動向や関心のある話題がタイムラインに並び、買い物の際にはリスティング広告やECサイト上のリコメンド機能など、自分の嗜好に合わせて提供された情報を吟味して購入する、という流れが、呼吸をするように自然に提供されている世代なのです。

つまり、彼らにとってのメディアとは、常にパーソナライズされていて当然の存在ということができます。あるいは、パーソナライズされていないメディアは不便で使いたくないと言い換えることもできます。
逆に言えば、パーソナライズされ、自分の趣味嗜好に一致したメディアであれば、デジタル・アナログの差は特に意味を持ちません。
彼らはYoutubeでチャンネルを視聴し、雑誌でファッション情報を手に入れ、Facebookで話題のニュースをチェックして、ドラッグストアでコスメを購入するのです。
そこにあるのは「自分の好みかどうか」という価値観だけであり、それがデジタルかアナログかというのは二次的な問題、あるいは問題ですらないのです。

未来志向な紙メディアとは?

ここに、紙メディアの未来が見えてきます。
未来志向な紙メディアのキーワードは、ずばり「パーソナライズ」です。

デジタルが当たり前に生活に根付いている世代にとって、パーソナライズされていない情報というのは、使い勝手があまり良くありません。膨大な情報の中から関心が高い情報だけを選び取るという手数がかかってしまうためです。
だからこそ、テレビからYoutubeへ、新聞からSNSへとメディアのニーズが変化してきているのです。
しかし、これを「アナログからデジタルへ」と受け取ってしまうと、それは間違いの元です。

現在は様々な業界においてデジタル技術が向上し、DXの流れができてきています。
例えば、ユーザーにとって親和性の高い情報だけを載せたダイレクトメールを個別に、しかも自動で印刷・発送することができたり、そのユーザーの関心分野に合わせたリーフレットを添付して商品を販売することが可能です。

自分の趣味嗜好に一致していれば、ユーザーはこれらの情報を好んで読みます。
「紙だから」という理由で捨てられず目に触れることができれば、紙メディアの可能性はデジタルよりさらに高いという研究もあります。紙の印刷物を目にしたときの方が、同じものをディスプレイで見た時よりも脳が活発に動いていたという実験結果もあるのです。
アナログの持つリアルな刺激と、デジタル技術を利用したパーソナライズ技術が合わされば、既存のメディアを超える効果を持つ新たなメディアを作り出すことも可能となるかもしれません。印刷産業という、全面的にアナログな産業と考えられていた分野においても、このように未来志向な取り組みが活発に行われているのです。

紙メディアも未来へ

デジタル技術の向上に伴い、日々の生活は大きく様変わりを見せました。しかし、これらの変化は「より便利に」という変化であり、「よりデジタルに」という表現が本質を捉えていないということは前述した通りです。
DXの流れはこれからさらに加速していくと考えられます。しかしこれは、アナログを廃しデジタルに転換していく流れではありません。むしろ、デジタルの技術を利用して、より豊かなアナログ生活を実現することということすらできるでしょう。

このような新しいアナログ生活の中で、紙メディアの果たす役割は依然として高いといえます。
手に取り、リアルな刺激を受け取ることのできる紙メディア。先進的なデジタル技術と掛け合わせることで、どのような未来を描くことができるのか、楽しみではありませんか。

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