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パーソナライズで広がる書籍の可能性

電子書籍の普及に伴い、人は大きな本を持ち歩く必要がなくなりました。必要な情報は手元の電子端末の中に。必要に応じて検索も可能。中には、書籍内のごく一部、自分に必要な章だけを購入することすらできる電子書籍もあります。そんな時代において、紙の書籍は価値を失っていくのでしょうか。

最近の動向を見るに、そうでないことは明らかです。むしろ、これからの時代において紙の書籍は、さらにその意味を増し、立ち位置を確立していくと考えられます。デジタル化が進むこの時代における、紙の書籍の意味とは、そして可能性とは何なのでしょうか。

書籍売り上げの80%が紙書籍

まず、電子書籍の登場と普及に伴い、紙の書籍はどの程度そのニーズを失ったのかについて見ていきましょう。
公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所の調査によると、2019年の出版全体の売り上げに対し、紙の書籍の売り上げは実に80%を占めていたということです。これだけ電子書籍が普及し、一般化してきたと言われている時代においても、書籍のほとんどは紙ベースで販売されているという事実があるのです。

また、ハイブリッド型総合書店として知られる「honto」が2018年に行った調査によると、読書をする女性の69%・男性の62%が紙の書籍だけを、女性の23%・男性の31%が紙と電子書籍の両方を利用していると答えたとのことです。
実に、全体の90%以上が紙の書籍を購入し、読書しているという事実があります。

「大事な本は紙の本、普段読むのは電子書籍」

同調査では、さらに興味深い回答が見られています。
紙と電子書籍の両方を利用している層に対し、その使い分け理由についての質問をしたところ男女共に最も多かった理由が「外出先で読む、家で読むなど、読むシーンで」で全体の約40%でしたが、次いで多かった理由が「大事な本は紙の本、普段読むのは電子書籍」(約20%)という結果だったということです。

また、「電子書籍で読んだ後、気に入ったので同じ本を紙の本でも購入することがある」「紙の本で読んだ後、いつでも携帯していたいから同じ本を電子書籍でも購入することがある」という理由を合計すると、実に全体の10%近くが電子書籍と紙の書籍で同じ本を購入しているという結果も見られました。

つまり、読者は電子書籍に利便性を求める一方で、読書という体験に対する思い入れやリアルさ、真剣さの部分においては、紙の書籍を好んで読んでいるという傾向があると考えることができます。

パーソナライズされたリコメンドは紙書籍でも可能に

電子書籍に利便性を求めるユーザーが多いということを述べましたが、利便性の例として好まれているもので、リコメンド機能があります。
ECの分野でも広く利用されている機能ですが、ユーザーの過去の購入動向や閲覧動向をもとに好みや関心の高い分野を推測し、親和性の高い商品を勧める、というものです。
リコメンド機能に基づいた広告はユーザーのリアクションがよく、閲覧・購入率が高いということは広く知られています。

読書も、リコメンド機能の親和性が高い商品のひとつです。というのも、個人の読書習慣は好みに左右される部分が大きく、好きなジャンルや雰囲気、テーマが共通する作品であれば、好みに一致する可能性が高くなるからです。

このようなリコメンド機能を利用したマーケティングはデジタルマーケティングでのみ可能で、リアル媒体においては難しいと考えられてきました。
しかし、最近ではその傾向にも変化が見られています。
Print-Techの発展に伴い、データベース上にあるユーザー情報をもとに、パーソナライズされた印刷物を顧客ごとに出力・送付することが可能となりました。この機能を使えば、過去の読書歴を元に、その読者だけのおすすめ書籍リストを作成し、購入した単行本や文庫本といった紙の書籍に同梱することが可能です。

つまり、本を買った読者に対し、その読者の読書体験を更に広げてくれるリコメンドを、その読者のためだけに作成・提供することができるようになったのです。

書籍の可能性は広がっていく

電子書籍の登場で、書籍の可能性は大きく広がりました。どんなに分厚く重い書籍であっても、この技術を利用すれば、携帯電話に入れて持ち運ぶことが可能になったのは、大変画期的なことです。これに伴い、読書における利便性が大きく向上したことは間違いありません。

また、紹介した通り、「大切なのは紙の本、普段読むのは電子書籍」というような、書籍の使い分けの流れもできてきました。言い換えれば、「利便性は電子書籍、思い入れは紙の本」というわけです。

人が書籍から得るものは、知識だけでもありませんし、楽しみや感動だけでもありません。実用性も楽しみも、どちらも書籍という存在の大切な意義といえます。
デジタルは、そのどちらをも便利にする存在となりうることができます。デジタルの力を組み合わせることにより、実際に手に取る紙の本も、更にその読書体験を有意義に、そして広がりのあるものにしていくことができるのです。

デジタルとアナログは対立しているのではなく、効果的に組み合わせることで、その可能性をどんどん広げていくことができる、「共創」関係にある存在なのです。

参考文献:
全国出版協会

PR Times(総合書店hontoの調査)

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