kinmei

顧客のビジネスを解決する
コミュニケーションカンパニー

Menu

サービス

ケーススタディ

ムダを減らして効果を増やす、これからの時代のマーケティング施策とは

「デジタルマーケティング」という言葉が聞かれ始め、そしてマーケティング戦略の中核的存在を担い始めて、それなりの時間が経ちました。それでは、マーケティングの主役はデジタルになり、アナログマーケティングは過去のものとなったのでしょうか。
結論から言えば、そんなことはありません。今でもダイレクトメールやカタログなど、紙媒体のマーケティングツールは現役で活躍しています。
しかし、残念ながら従来通りのアナログマーケティング手法をそのまま踏襲しているだけでは、これからの時代において「時代遅れ」の施策となってしまう未来はそう遠くないでしょう。
これからの時代では、紙媒体のマーケティングツールはどのように変わっていくべきなのでしょうか。そのヒントは、すでに始まっている新たな取り組みにありました。

アナログ施策における「ムダ」の現状とは

 そもそも、紙媒体をはじめとするアナログマーケティングが「時代遅れのマーケティングツール」への道を歩み始めているのはなぜなのでしょうか。
それは、現在のアナログマーケティング施策が様々な「ムダ」を内包しているからです。

 ポスティングチラシの例はとくにわかりやすいかと思います。毎日ポストに投函されるチラシのうち、興味を持って見るものは何割くらいでしょうか。マンションなどの集合住宅では、チラシを捨てるためにポストの近くにゴミ箱が設置されていることもあるほどです。
これらのチラシの多くは、残念ながら消費者の目に止まることなく、そのまま「ゴミ」となっています。これは、その施策にかかったコストがムダになるだけでなく、循環型社会を目指す現代において、無視することのできない「資源のムダ」にもなってしまっています。

紙にしか出せない魅力・効果もある

 それでは、紙に出力される媒体はすべてムダなのでしょうか。
現代においてもマーケティングツールとして効果を保っている発行物はたくさんあります。例えば、気に入った雑誌を定期購読している人は少なくありません。また、特定のフリーペーパーを毎号楽しみにしている人もいるでしょう。読む人にとって価値あるコンテンツであると判断されれば、紙の発行物は今も変わらず効果を持つのです。

また、人の脳に関する興味深い研究結果もあります。同じ内容の情報を読んでいる場合でも、デジタル端末を通して読むときよりも、紙媒体で読むときの方が、人の脳はより強い刺激を受けているというのです。これは、同じ内容の訴求を行いたい場合において、紙媒体に出力するだけで、より高い訴求力を持つことができるということです。短い時間でより強いインパクトや印象を残したいマーケティング施策において、この情報は無視することのできないものです。
つまり、紙媒体は「ムダ」だけの施策ではなく、上手に活用することでデジタルを上回る効果を期待できる、価値ある媒体であるといえます。

これからのマーケティングは「個別施策」が基本

 近い将来のマーケティングを考える上で、ポイントとなるのは「個別化」です。
デジタル技術の進化に伴い、私たちがデジタルツールを介して実現できることは飛躍的に増えました。映画やテレビ番組の視聴、書籍や雑誌、日常の買い物にいたるまで、必要な消費活動はすべてインターネット上でできるのではないかと思えるほどです。
ここで心に留めておきたいのは、インターネット上でのアクティビティはすべてログという形でデータ化が可能ということです。そして、これらのアクティビティのデータを分析することで、その人の趣味や嗜好、生活パターンなどの人となりが見えてきます。これは、マーケターにとっては大変価値ある情報です。

 データを介して人となりが見えることで、インターネット上において、その人の関心やニーズに合わせた情報を提供することが可能となりました。購入履歴に基づいたリコメンドや、検索履歴を生かしたリスティング広告などはその良い例です。
人は、興味のある内容しか目に止めることはありません。膨大な情報が溢れる現代においては、その傾向はより顕著です。そのため、消費者にきちんと情報を届けたいと考えるのであれば、個別施策をベースとしたマーケティングが今後さらに重要になってくると考えられます。

紙がデジタルと繋がるとムダが減る

 紙媒体を中心としたアナログマーケティングでは、従来は無作為なポスティングなど、ランダム施策がほとんどでした。その結果、その情報を求めていないような人に対しても大量に情報が届けられ、その多くは資源のムダとなっていました。

 紙媒体における個別施策を可能にするのは、デジタル技術とアナログマーケティング手法の掛け合わせです。デジタルで管理されている顧客情報をもとに自動でユーザーの特徴や関心を分析し、分析結果をもとに紙媒体が発行されるようなシステムがキーです。発行物の印刷や梱包、発送までを自動化することができれば、メールマガジンを送るように簡単に、その人に合わせたダイレクトメールを送付することができます。

 デジタルマーケティングの多くがそうであるように、アナログマーケティングにおいても、その人が求めている、関心のある情報だけを届けることができれば、その情報は必ず消費者の目に止まります。しかも、一度目に止まれば、その効果はデジタル媒体よりも高いのです。有用な情報と判断され、簡単に破棄されることはなくなります。結果として、アナログマーケティングで生まれていた多くのムダは、コスト面・資源面両面において大きく削減できるでしょう。

ハイブリッド時代のマーケティング

 現代人は多くのデジタルツールを駆使しながらアナログ世界に生きています。デジタル世界の中だけに存在している人がいないように、今となっては、アナログ技術だけを利用して生活できている人もほとんどいないでしょう。
つまり、人は知らず知らずのうちにデジタルとアナログのハイブリッド世界に生きているのです。それならば、マーケティング施策もそうあるべきです。

 デジタル技術には、アナログ技術では実現が困難である高い分析力と、それに基づく個別化を実現する力があります。一方アナログには、その場に存在するという確かな「リアル感」、そして五感すべてに働きかける「存在感」があります。
これらは、どちらがより優れているというものではありません。むしろ、それぞれの価値を正しく理解し、最も効果を発揮できるような掛け合わせを実現することで、これまでにない高い効果を持つマーケティング施策が可能となることでしょう。

< Column 一覧に戻る

トップへ